【2017年版】海外のデザイナーに人気のツールは?【分野別】

海外のデザイナー達がどんなツールを使っているのか?の調査、2017年版が出たので読んでみました。

2015年版はこちらに日本語訳があります。
https://webya.opdsgn.com/gatherinformation/subtraction-design-tools-2015/

Contents

Design Tools Survey 2017

2015、2016年と同様、今回もTaylor Palmerさんが調査してまとめてくださっております。
https://uxtools.co/survey-2017

まだ日本語版がないっぽいので、所々ちょっとずつメモ。誤訳があったらごめんなさい。

Ⅰ 2017年の分野別No.1人気ツール

1979人のデザイナーに取ったアンケート結果から判明した、2017年の分野別No.1人気ツール!
(半分くらいアメリカのデザイナーです。)

  • ブレインストーミング&思考過程…「紙とペン」
  • ワイヤーフレーム…「Sketch」
  • インターフェースデザイン…「Sketch」
  • プロトタイプ化…「InVision」
  • デザイン共有…「InVison」
  • システム設計…「Sketch」
  • ファイル管理…「Google Drive」
  • モニタリング…「Hotjar」

Sketch強い。

あ、注意しなければならない点は、この一覧のツールだけを使っとけばいいっていうことではないということです。

なぜなら、例えばプロトタイプ化のツールでは、ひとりが平均で3つのツールを使用しているような状況下でInVisionが一番になっているなどの結果があるので、数で一番になったからといってそれ「だけ」使うというわけではないのです。

Ⅱ 今回の統計について

アンケート回答者の3割程度がアメリカのデザイナーですが、ドイツ・イギリス・インド・カナダなど多様な国のデザイナーが回答しているようです。

職種

職種も、UXデザイナーが最も多いものの、プロダクトデザイナー、Webデザイナー、グラフィックデザイナーなども多いです。

経験年数

今回の調査では、経験年数も1~2年から5~10年、10年以上まで幅広く解答があり、駆け出しのデザイナーの答えだ~とか熟練のデザイナーの答えだ~とかそういった偏りのないサンプルが取れたようです。

(もちろんそもそも世界中から約2000人のデザイナーにアンケートを取ったわけですから絶対にコレだ!というわけではありません。)

というわけで、2015年版と比較しつつ、へ~今コレが流行ってんのか~という程度で理解を深めていきたいと思います。

Ⅲ ブレインストーミング&思考過程ツール

実は、本当の1位は「その他」だそうです(笑)

パソコンを使わない「紙とペン」が項目の中では1位ではありますが、本当に人それぞれだということなんですね。

筆者「デザイナー達がパソコンから離れるのをためらわないということを知って、ほっとした」

しかし、

デザイン考える=ホワイトボードや紙(アナログ)
アイデア探す=Sketch(デジタル)

という傾向も出ており、結局「考える&思いつく」以外のときはパソコンにくっついているってことなんですよね~。ええ。

Ⅳ ワイヤーフレーム作成ツール

2015年版→2017年版

  1. Sketch 27%→48%
  2. Illustrator 19%→12%
  3. HTML/CSS 14%→9%

ちょっと安直な比較なので実際はもっと違うかもですが、結果だけで見るとSketchが2年でぐっと伸びています。

しかし、イラレやHTMLだった層がSketchに完全移動したのではなく、

2015年版で登場していたInDesignやKeyNote、ツールを使っていなかった層などがSketchへ移動して増加した可能性もあると思います。

筆者は、ワイヤーフレームのために新たに別のツールをやる必要はないと言っています。

必要なのはどのツールでワイヤーフレームを作るか?ではなくて、「色、フォント、その他邪魔なものから離れるというルールを守るだけ」だと。

筆者「一番印象に残った回答は、『ワイヤーフレーム作成?ああ、僕がドラッグ使ってレイアウトを心に思い描いてる時のこと?』です」

Ⅴ インターフェースデザインツール

2015年版→2017年版

  1. Sketch 39%→45%
  2. Photoshop 29%→17%
  3. Illustrator 12%→12%
  4. HTML/CSS 15%→???(その他に統合されている?)
  5. new!! AdobeXD 9%
  6. new!! Figma 7%

※2016に出てきてたらすいません。

HTML/CSSがどっかへいってしまって、AdobeXDとFigmaが台頭してきました。

しかし、Sketchが未だにトップであることについては、

筆者「この調査結果は、UIデザインの世界は我々が思っているよりも細分化されてないということを教えてくれる」

と評価しています。

各分野の中で最も多様性がない回答であるということは、

今の段階ではUIデザインはこう!という王道が割とあって、そこまで作りがバラバラじゃないってことですかね。

オマケ:(UI/UX)MacとWindowsだと大きな違いが…

さて、全体で見ると、回答者の割合はMacが大半なので、

Macユーザーの多くがSketch使ってる!の数字が反映されてしまっていましたが、

Windowsだけで見てみると…

Photoshop>Illustrator>AdobeXD>Figma>(超えられない壁)>Sketchでした。

筆者「興味深いことに、WinではPhotoshopがトップであり続けている」

このあたりは…言葉としてではなくなんとなく感覚としてわかるようなわからないような…(←デスクトップはWinでノートがMacの人)

Ⅵ プロトタイプ化ツール

2015年版→2017年版

注意:この回答は「複数回答可能」で、2017年版では「平均2.98種類のツールを使っている」となっています。

  1. HTML/CSS 38%→14%
  2. InVision 18%→32%
  3. new!! Principle 11%
  4. new!! AdobeXD 8%

※2016に出てきてたらすいません。

筆者「ひとりのデザイナーが目標を達成するまでに少なくとも3つのプロトタイプ化ツールを用いているのなら、この分野ではより活発な動きが見れそうだ。来年は、この質問をもっと具体的なカテゴリーに、クリッカブルプロトタイプとモーションデザインに分けてみたい」

使用するプロトタイプ化ツールの数が多いのは、クリックできる模型としてのプロトタイプを作る場合と、アニメーションや遷移などのモーションを確認したい場合とで違うツールを使っているからではないかという推測があるようです。

筆者「InVisionが人気だったことは知ってたけど、この人気は本物じゃないと思ってた。古いコードを見るのにはいいけどね」

InVisionが真の王者なのか?は、2018年版で明らかになると期待しましょう。

Ⅶ デザイン共有ツール

ハンドオフ(Handoff)ツールとは、画像やデザインを書き出さずに共有してスムーズにプロジェクトを進められるツールのことです。

AdobeやSketchが入っていないメンバーでも使えるし、slackなどと連携して、デザイナーとエンジニアの間などでのコミュニケーションを円滑にできるという利点があります。

筆者「ハンドオフツールはここ数年の間にぱっと広がった」

筆者もこう述べているように、2015年の調査ではまだデザイン共有ツールの調査はしていませんでした。

筆者「最も印象に残った回答=『OS X Finder』」

これは、使っていない…に含まれるのか?!その他にカウントされるのか?!笑

さて、2017年度のデザイン共有ツールの人気はこうです。

  1. InVision 28%
  2. Zeplin 24%
  3. 使っていない 20%
  4. AdobeXD 6%
  5. Sketch Measure 6%

日本語でデザイン共有ツールを調べると、Zeplinはコリスを始め、色々な記事で紹介されています。

コリス
これで無料とはすごい!Mac, Win, Linux対応、デザインの指示書やスタイルガイドを簡単に作成・共有できる ... デザインの指示書やスタイルガイドを作成するのは、なかなか時間がかかりますよね。 使用している要素のサイズやマージンやカラーやフォントなどの情報を自動で取得したり...
Tortoise Shell
Entry is not found - Tortoise Shell 趣味や仕事について書くブログ

InVisionも紹介されていますが、日本ではZeplinの方が解説が多いです。

Ⅷ システム設計ツール

今回この質問は選択肢が良くなかったみたいで、かなりのデザイナーが無回答だったそうです。

筆者「最も印象に残った回答=『使っていない。やらなきゃだよね(涙)』」

Ⅸ ファイル管理&バージョン管理ツール

このツールへの回答は、

  • 基本的なファイルの管理=Google Drive, Dropboxなど。
  • Gitのバージョン管理=Github, Bitbucket, Gitlab, Plant.ioなど。
  • カスタム、社内で独自の管理システムがあるなど。
  • 少しも管理していない

という4区分に分けられるそうです。

なお、2015年ではDropbox>GitHub>Google Driveでしたが、2017年はGoogle Drive>Dropbox>(壁)>GitHubでした。

現在はGoogle DriveやDropboxなどファイル管理ツールが大半を占める結果となっていますが、InVisonやFigmaといったツールが固有のバージョン管理システムを提供すれば変わるだろうと筆者は期待を寄せています。

筆者「最も印象に残った回答=『OneDrive (最悪)』」

Ⅹ モニタリングツール

Hotjarが一番数が多い……のではなくて、ほとんどが無回答か無しと答えているからでした。
モニタリングツールに触れていないのは勿体無いと述べています。
Hotjarにはユーザーの目線やマウスの動き、クリックされた場所の可視化(=ヒートマップ)などの機能があります。

https://funnis.net/blog/tool/hotjar/

日本語ではptengineなどが有名です。

http://liginc.co.jp/web/tool/other-tool/149658

Ⅺ 2018年注目のツール

InVisionのUIデザインツールInVision Studioが注目を集めているようです。(日本ではどうなんでしょうか…?)

現在で既に疲れているのに新しいツールに期待し注目する気力もないというような声もあるようでした。

おわりに

2017年版、海外のデザイナーが使っている人気ツールはいかがでしたでしょうか?

WindowsではAdobeXDなど様々なツールが伸びてきている一方で、Macでは依然としてSketchが強い結果となりました。

バージョン管理ツールやモニタリングツールの利用増加、プロトタイプの区分の細分化など、次回も楽しみな調査になりそうですね!

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